誰も見てないとはおもうけど

成人式に行ってきました。
自分としては気は乗らなかったのですが
過去を引きずることはもうするまいと思い、なんとか参加。

人がたくさんいました。思っていたよりもほとんど着ていたと思います。
男子はもしかしたらという人もいましたが、女子は化粧が濃すぎて誰かわかりませんでした。
もはや濃いというか、晴着がキャバクラ衣装化しているというか…
しかもだいたいみんな雰囲気が同じ。流石田舎。

普通に。とはいかなくても、軽く喋れましたし、声をかけることも出来たし。
何より、自然に笑えました。
当時は何も出来なかった。生き抜くために何もしないようにしていた。笑わなかった。

成人式は2部構成で、1部は町のお偉いさんたちが進め、
2部は成人の成人による成人のための「成人会」みたいなものでした。
笑いあり涙「無し」という成人式のイメージをぶち壊すもので、構成を考えたりした成人式委員会の皆には感謝しきれないほどです。

2次会は夜でした。
ホテルで立食でした。僕はあまり話さずひたすら食べる。
他の人達は会話しつつひたすら呑む。
……なぜかタバコもかなりやる人も。授業であれだけやっておいても普通に吸うやつは吸うんだなと感じた瞬間。ここ密室なんですが。しかも20で…一体なんのメリットが。準合法麻薬だなあ。
とか考えていると、ムービーがプロジェクターで映し出される。
しかし酒に呑まれた成人だったはずの人達は退化して大きな小学生に戻っていた。何かを忘れるように。何かにすがるように。
大声ではしゃいで。成人したことだなんてなかったことにするように。成人になった事を純粋に祝うように。
委員会が必死に用意した内容をことごとくぶち壊した。

委員会はめげずに音声がなくても良い映像に切替、騒ぎつつも意識を映像に向けることに成功する。
それもいくつかして集中が切れかけたこれに、ビンゴ大会に移行して行った。
盛り上げ方も上手く、餓鬼と化した彼等を統制していった委員会の面々には頭が上がらない。

そのあとはデザートの後、成人式二次会恒例アルコール中毒患者が発生するイッキコールや
泥酔者が酒瓶持ってほっつき歩くだとか(歩くだけで物にぶち当たっていくので危険)
自分が予想以上に脳が麻痺していることに気づけていない酔いが回りきった人達が連続で物を落として割れるなど、
まさに若さ故の過ち(これらは絶対にしないように口すっぱく言われていたが、餓鬼にまで戻ってしまった彼等には関係なかった)が混沌を極めたころ、
退場予定時刻になり、委員会が20分くらいかけてと30メートルほどの距離を移動させる。ほとんどの人がはなしを聞かない。

そこで三次会の話になったが自分はそこで抜けた。
ちなみに運動モノだったような。飲酒後の運動は以っての外ということもあれだけ口すっぱく略。


彼等は、満ち足りた笑顔をしていた。
何もかもを無垢なころに戻したかのように。
集団いじめと学校をあげての大反省式なんて無かったかのように。
真っ暗な先を光に道あふれているかのように。
笑うのだ。

笑うのだ。

笑うのだ。

笑っているのだ。

笑わずにはいられないのだ。

なりふり構わずに。


何も考えずに。


でも感じて。
多くの笑えない事を感じて。
笑うのだ。

一生分笑うのだ。