3ー6 LARVITAR
題名、全部大文字なのにはワケが。
現れたのは。
「………敵?」
ニューラは首を傾げる。
チェリンボだった。
チェリンボなのだが、頭にパラスのキノコが生えている──……「……変なファッション……」
チェリンボは答えない。
このナリでも『侵食』されたクチらしく、ニューラ達に″タネマシンガン″を放つ。ニューラは横に跳んで避け、ヨーギラスは。
アーボックを盾にした。
「いててててて……テメェ! ポケモンを盾にしやがっ」
「Σなっ?!」
振り回したかと思うと、チェリンボに叩きつけた。
「流石にそれは酷くないか?」
「………」
哀れなアーボックはフラフラと目を回している。
「で、ドラピオンは?」
ニューラは見渡した。
のっそりと現れた気配にニューラは振り向いた。「ここに来るのにどれだけ時間がかかっ──何だ、アンタも」
ドラピオンにもキノコが生えていた。
グオオオオォォォ
ドラピオンは答えない代わりに雄叫びを上げた。目が正気ではない──
「……侵食……」
ヨーギラスが呟いた。
「まさか、侵食は受けない筈──……」
「助けに来たぜ〜」
その瞬間、アーボックはドラピオンの″クロスポイズン″で吹っ飛ばされた。
「ぎゃああっ!! だっ………………─────」
後ろに吹っ飛んで見事にK.O.されてる。
「……駄目そうだねこりゃ。まあいい、ワタシたちだけでどうにかしないとね……」
「……」
「ドラピオン、いきなりアーボックを攻撃するだなんてどうしたんだ!?」
言葉を無視してこちらを威嚇し、近づく機会を狙ってる。
その時、ヨーギラスが針をドラピオン…――の頭のキノコ目掛けて投げる。
見事キノコに命中し、キノコがもげる。――…が、すぐにまたニョキッっと生えてきた。
「なんだありゃ……。不気味だね。もしかして原因か?」
「……」黙ってうなずくヨーギラス。
「なるほど、なら話は早いな。ワタシの技で凍らせればキノコは生きれなくなる。問題は……」
先程からドラピオンの背中から光が輝いている。実際操作してるのはキノコだが、攻撃の印は反応し続ける。痛みがドラピオンを徐々に蝕むだろう。
「時間だな……!」
ニューラは跳んだ。
「補佐を頼む! でも、あまりダメージは与えるな」
ヨーギラスも動く。
(隣接──危ないッ)
ドラピオンが腕をヨーギラスに叩き込む前に、ヨーギラスはギラリ、とドラピオンを睨んだ。
(″こわいかお″か!)
動きが鈍い隙にニューラはドラピオンの背後に回り込んだ。
ゴオッと、ヨーギラスは砂を巻き上げた。″すなじごく″だ。
ドラピオンの″つじぎり″をかわし、ヨーギラスはドラピオンから離れた。砂地獄が、止んだ。
ヨーギラスの方向へ向かおうとした瞬間、背後で様子を伺っていたニューラが飛びかかる。(──″ため″は十分ッ!!)
ドラピオンはニューラに気づき振り返ろうとしたが──遅い!
「″れいとうパンチ″ッ!!」
ニューラの氷によって、パキンと一瞬にしてキノコが凍りつく。
──そして、砂の山が崩れるようにキノコは消えた。
「――…はっ!?」
ドラピオンが目を覚ましたのは森の外だった。
「救助完了したものは近くの担当者から順序に報酬を受け取るように!」
フーディンがテレパシーで全体に指示を飛ばしている。
「やっとお目覚めか」
ニューラが倒れ込んでるドラピオンを覗き込む。
「……アーボックは?」
「隣、となり」
アーボックが隣で寝ている。気絶しているわけではなさそうだが……
「ブッ!!……な、なんだ!?」
「様子をみてろと言ったのに誰が添い寝してろ言った」
「あ、ねぇちゃ……ドラピオン!」
「……アーボック!」
お互いに起き、ハグしてる。
「さて、と……」
(だいたいのが脱落か……やっぱり……)
どこを見るでなくじっとしているヨーギラスを見る。
(コイツの強さだな……やはり、利用する手は無いが……)
その後ヨーギラスが喋る事もなく……
【後26日】